構成的グループエンカウンターをやってみた,参加した,本を読んだなど,エンカウンターに関する体験談を紹介します。 |
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■ 体験談CONTENTS
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「教師対象の研修会での反響」・・高校の就職指導のサポート業務を行っている「進路相談員」さんより
「リーダー研修会で」・・さりやんさんより
「中学の進路指導にSGE」・・高等学校の就職指導のサポート業務を行っている「進路相談員」さんより
「失敗を恐れない勇気」・・ADHD児の親の会メンバーさんより
「合唱コンクールに向けた共同コラージュ」・・ウィリーさん(中学校教諭)より
「2学期の3連続エンカウンター」・・ウィリーさん(中学校教諭)より
「オホーツクにもSGEを広めています@A」・・菊池さん(北海道北見在住)より
「院内学級へ通う児童生徒のストレスマネジメント」・・曽山さん(秋田県養護学校教諭)
「小学校1年生での実践」・・中島さん(小学校教諭)
「名寄の中学校でも2つの実践を紹介」・・松原さん(北海道中学校教諭)
「シェアリングでの否定的な発言に対して」・・佐藤さん(小学校教諭)
「教師研修会での心からの信頼体験」・・シンシアさん
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■ 私のエンカウンター体験談
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「教師対象の研修会での反響」 |
New! 06/7/20 |
中学校での実践に続き、教員対象の研修会でSGEを教授しました。以下、コミュニケーションを高めるSGEを体験した教員の感想です。
「恥ずかしかったけれど、楽しかった。他人の話を批判しないで、耳を傾けることに大切さを感じ、あたたかい気持が生まれると思った。終えた後、心地よい気分になれるのが良いと思った」
更に、構成的グループエンカウンターはどんな場面で使われると良いかという問いに以下の意見が出されました。
「進路の時間で自分の将来を考えたり、普段のLHRや宿泊研修でクラスの親交を深めたりするときには非常に有効だと思う」「授業の中でも充分役立てることができると思う。」「新学期の初めのホームルーム」「何か悩みを抱えている生徒は多くいると思いますが、一人で苦しまず、他の生徒と共有し合い、共に考えていけるような場面を作ってあげたいと考えます」
一言で言えば、参加者の教員はエンカウンター体験による心と心の触れ合いに感動し、互いの信頼感を増幅させたと言えます。大人でしかも教員でさえも、自己理解、他者理解、自己受容、自己主張、信頼体験、感受性の促進を促されたことにより、エンカウンター体験が学校現場でも充分使えることを理解したと思うのです。このことは、大きな成果であると考えます。この成果を元に、今後は教職員への研修も視野に入れ、SGEの展開を図っていきたいと考えています。 |
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〜高等学校の就職指導のサポート業務を行っている「進路相談員」
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「リーダー研修会で」
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06/4/17 |
私は中2で学級委員をやっています。この前、1〜3年の学級委員を集めての初リーダー研修会があったのですが、そこで、エンカウンターをやりました。動物の名前が書いてあるクジを引いて、その書いてあった動物の鳴きマネだけで仲間を集めるというものでした。犬・猫・豚・蛙・馬・猿などがあって、みんな一斉に“わんわん にゃーにゃー ブーブー”。最初は照れがありましたがだんだん楽しくなりました。
次に、その同じ動物同士(4人)で円になり「つま先を合わせて手を繋いで立つ」というものをやりました。私は猫で、3年生2人と1年生1人と同じグループだったのですが、話したことも無いし、みんな初めて関わる人達だったので一発で立つのは難しい!
やってることは単純なんだけど、自然と笑いがこぼれて、すごく楽しかったです。普段あまり交流のない他学年の人とも少し仲良くなれた気がしました。
実は去年の3学期にもエンカウンター(相手の考えている物を当てる)をやったのですがコレはあまり楽しくありませんでした。なのでエンカウンターは嫌いだったのですが、今回の交流でエンカウンターが楽しいと思えるようになりました。
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〜さりやん
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「中学の進路指導にSGE」
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06/4/17 |
私は北海道後志管内で主に道立高等学校の就職指導のサポート業務を行っている「進路相談員」です。
今の高校生は,勤労観・職業観が希薄で,挨拶もできず,笑顔も無いと企業の人事担当者からよく言われます。実際に私自身も生徒とカウンセリングをして自己認識ができていない,自尊心を持てない,他者理解に欠けるなど,いわゆるコミュニケーション能力が足りないと感じることが多々あります。今まで講話などで彼らの資質を高める努力をしてきましたが,やはり,ただ話すだけでは一方的な「講義」になってしまっていました。
そこで,SGEを実践することによって,生徒自ら考え,行動させて理解度をアップさせることにしたのです。これが極めて効果的でした。今の子ども達は「体験」の場がとても少ない。「職業観・勤労観」を育成するのにインターンシップが効果的なように,このような体験学習は彼らにとって新鮮であり,入り込みやすく,頭や体を使って取り組むため,心に残りやすいのだと思います。
私は,そのような実践をしている中で,キャリア教育は高校では遅すぎるのではないかと思い始め,中学校でもこのような進路体験学習を展開し始めました。そこでの生徒の真剣な眼差しや学習に取り組む態度を見て「乾いた砂に水が浸透していくこの時」こそ,「生きるヒント」を与える好機だと考えています。
今後も高校はもちろん,小中学校での指導を視野に入れ実践していくつもりです。また,他管内の進路相談員とも連携を図り,SGEの実践の輪を広げていきたいと考えています。
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〜高等学校の就職指導のサポート業務を行っている「進路相談員」
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「失敗を恐れない勇気」
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ADHDの子どもは失敗が多く,どうしても引っ込み思案になります。
「失敗をおそれない…」この本はADHDの子どもにとって勇気づけられる本だと思います。
名作物語を読んだときのように感動して涙が出ました。 心の底からわき上がるあたたかさ,最高だと思います。
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〜『エンカウンターで学級が変わる』を読んで〜ADHD児の親の会メンバー
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「合唱コンクールに向けた共同コラージュ」
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合唱コンクールのチームワークを高めるためにやった「共同コラージュ」が大成功。その理由。 |
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その1:教頭先生が見学してくださる。うちの教頭先生,体育専門。昔は鬼のようにこわかったという教え子がたくさん部下となっています。この夏,東京の何かの研修で,SGEの進んでいる現状を聞かれたそうです。それからバスケットの試合の最中に私をつかまえて質問ぜめ。「カウンセリングマインドとは何か」「エンカウンターとはどういう意味か」。そのたび,必死に答えておりましたが,そうだ,百聞は一見にしかずと思ってお招きしました。ついでに『学級が変わるパート1』の國分先生のコラムを2点そえて。そして6時間目,教頭先生がやってきました。シェアリング不足のところを補った振り返り用紙を教頭先生にみてもらいました。「子供たちの生き生きした表情が印象的でした」とのコメントをいただきました。やった! 教務の先生も「今度私も見せてください」ですって。うれしい。 |
その2:合唱コンクールをめざしての共同コラージュだったので,目的をしっかり伝えていました。生徒たちのふりかえり用紙を読むと,その意図をしっかり受け止めていたようでものすごい反響。「コラージュというばらばらの切抜きがみんなの協力でひとつの立派な作品になるんだ」と発見した人がいて,これは私もはっとさせられました。「さわやかになった,すっとした,楽しくて笑いたくなった,やる気になった」などなど。床にいっぱい新聞や雑誌のごみを散らかして思いっきり切ったりはったりそれだけでもすっきりするようです。そして,わがクラスはSGEになれているので,自分の気持ちを感じるのもうまくなってきました。「合唱コンクール,優勝できる。感動を伝えられる。今,燃えてる。」と各グループで気持ちを共有しあったようです。 |
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その3:見ている教師も癒されました。共同コラージュがどこまで子供たちの心をひとつにし,合唱への意欲をかきたてるのか,実はとても心配でした。ふざけて楽しかっただけで,終わるのではないかと。しかし,子供たちは予想をはるかに上回って,その心を燃え上がらせました。なぜ,そうなるのか。みていてはよくわかりません。でも子供たちの熱気は,気の小さいわたしのコンクールへの不安をふきとばしました。とにかく,きっと大丈夫。めざせマイベストと思えるのは,今までの私には信じられない心境です。「勝てるクラスが良いクラス」というイラショナルビリーフから救われたのは私です。 |
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その4:SGEがSGEを呼ぶ。昨年担任していた子が以前の話をするようで,「先生,今度は何やるの」「先生,まるくなってみんなにありがとうって書くのやりたい」と,今日もこんなリクエストをもらいました。 |
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以上,SGEってすごいですね。そして体験,リーダーと自分が味わってこそ今がある,と再確認しています。うまくいったら,わが3の6,卒業式前にはあの体験のときと同じ感動の「別れの花束」ができそうです。 |
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〜エンカウンターリーダー研修に参加して〜ウィリー(中学校教諭)
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「2学期の3連続エンカウンター」
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2学期が始まって1ヶ月。今のところ,大成功中。 |
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まず第1回。「ひと夏の経験」をやりました。リーダー研修を受けた私は,もう動じない。中学生独特の照れ,ふざけ,などににこやかにゆったりと対処。はずかしくてなかなか男女のペアにならない人たちには,「こっちですよ」「え,おわった。じゃああの人とやってあげて」と介入の連続。思春期の中学生相手の場合,このチョット一押し,ていう仕事がとても大切なのかもしれません。15分の間には,だんだんすんなりとペアになり,うれしはずかしの子供たちの表情を見るのが一番うれしいです。 |
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シェアリングはちょっと話がそれて,きのう愛犬が死んで悲しい人の自己開示があり,みんなでそのことを受け止めました。終わってからの感想にはこの夏,野球で全国大会に行った補欠選手の正直な感想があり胸をうちました。早速で帰りの会でフォローしました。「みんなは楽しそうな夏休みだったけど,ぼくは野球で暑かった。補欠だからただ暑いだけだった。でもその暑さは一生忘れないと思う」。補欠経験の尊さをしばし語りました。 |
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第2回。女の子の希望で初めてオリジナルができました。「理想のあの子」。「わたしの四面鏡」の形を借りて,男女の理想の異性像を探ります。これまた大盛況。うれし,はずかしの極みです。女の子はの軒並みかっこいいを条件に挙げていて,内面的なものを挙げる男子とは少々違っていました。まとめでは,恋に恋する女の子の特徴なぞについてひとこと。あとで,男の子がこっそりやってきて,「ぼくもいろいろ考えてるんだ,あの子のこと」という話が2日間ありました。 |
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今日は道徳の終わりに少し「Xさんからの手紙」を取り入れました。相手のいいところをみつけるという道徳の題材にあわせて,さあその人のいいとこ,具体的にかいてあげようね。もらったときに自分だったらうれしいだろうな,と思うように書いてあげようね,と行いました。もう,早く自分のを見たくてドキドキ。クラス全体が心地よい熱さにわーっと燃えていた感じです。いよいよ自分のところに手紙がきます。どの子もすごく幼い顔になり,自分の番を待っています。手紙をもらってひとしきり,みんなうれしそうでした。中でもプロサッカー選手を目指す男の子。どうしてもわがままが出て今ひとつ思うように認められなかった彼が,「テレビで君をみるのを楽しみにしてるよ」「サッカーやってる姿はすごいよ」を誉められてデレデレとうれしそうでした。万一傷ついた人がこっそり教えてね。とも付け加えました。抵抗への処理,実にさまざまな反応のあることへの対処は自分の体験があってわかったものです。
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〜エンカウンターリーダー研修を生かして〜ウィリー(中学校教諭)
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@H11〜12年,網走地方教育研修センターの「特別活動(学級経営)」の講座でSGEを紹介し体験してもらったところ,たいへん好評でした。また保護者を対象にした懇談会でも好評でした。H13〜14年度は,同「教育相談(生活指導)」で実施予定です。校内取り組みとしては,昨年度は総合的な学習の時間でSGEを行いました。例えば,オリエンテーションとして,「私は網走の○○なとこが好きです」を通して課題設定し,調べ学習のグループづくりと仲間づくりにSGEの手法を活用しました。オホーツクにもSGEを広めています。
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A中学1年生の社会科地理・北海道の学習導入で。一人一人に「私は,北海道の○○が好きである」に入る言葉を考えさ,グループで一番いいものを決める。それに関連する項目で北海道について調べ,結果を全体比発表して,「私は北海道の☆☆が大好きになりました.なぜなら、◇◇だからです」という文でまとめさせる。 〜菊池浩徳〜
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SGEを用いた研究論文「院内学級へ通う児童生徒のストレスマネジメント」が秋田県教育公務員弘済会で優良賞をいただきました。
院内学級は,慢性疾患を伴う入院児童生徒に対して病院内に設置されています。そこの子どもたちは,イライラや不安感,無気力感などのストレス反応が高い印象を受けました。人とふれあう機会の少なさ,うまく相手とつきあえないもどかしさが要因と考えられました。
そこで長期の入院が続く一人の中学生を対象事例として取り上げ,「あたたかなふれあいのある学級づくり」「自分も相手も大切にするコミュニケーションスキルの育成」を心がければ,生徒のストレス反応が軽減するだろうという仮説を設定し,SGEとアサーショントレーニングを計画的に1学期間実施しました。
結果は,社会的スキル,特に自己主張スキルが高まり,ストレス反応も軽減しました。「院内学級に通う児童生徒に対するストレスマネジメントとして,SGEやアサーショントレーニングの効果が検証され,今後も大いに活用できると思われる」という結論を得たのです。
院内学級では教科学習が中心ですが,それだけでは普通学校に戻る時になかなかうまく適応できないというケースがあったと前任者から聞きました。特に入院が長期に及ぶ場合です。そのような時に,教科の力に加え,やはりSGEなどを利用して,人とかかわる力を育てたり,心を育てたりすることが大切だということを今回の研究ではあらためて感じました。〜曽山和彦〜
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体験談 学年16人。2人を除いて同じ保育所からの入学。気心も知れているかわりに,人間関係、特に上下関係ができつつある子どもたち。言葉遣いも悪く,攻撃的な子どもたちでした。出会いからじゃんけんゲームや他己紹介,たこ作りなど行いました。体育でもショートエクササイズを取り入れたり,続きをどうぞ,ちくちく言葉とふわふわ言葉などをすることで少しずつ子どもたちが変わっていきました。2学期にも何回か行い,あたたかい人間関係ができつつあります。私自身も,育てるカウンセリングを読み,よりよいエクササイズができるように心がけています。エンカウンターは子どもを変えると実感しつつ,全校集会などでも取り組んで,全職員に紹介しています 〜中島・小学校教諭〜
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@3年生の受験も近づいた12月の参観授業で,親子で参加するSGE「やってみたいことBEST3」を実施。親はお金に関すること時間が必要なことが多く,生徒はゆとりや自由な行動を求めるということがわかり,受験期でぎすぎすしがちな親子関係もよくなったと参加者から好評。
A一方通行の授業になりがちな社会科の授業を,対話ある授業にするために,1年生で「行ってみたい国」を世界地理の本格的な授業が始まる時期に実施した。シートに行ってみたい国と,理由を書き,班内でシェアリングをする。この人は、こういう人で、この国に興味をもっているということがわかり,その後の授業が発言の多い,活気のあるものになった。〜名寄市・松原〜
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私は小学校教諭です。子どもたちの希薄な人間関係がより豊かになればいいと思い,エンカウンターのエクササイズを取り入れています。しかし,ついつい子どもの照れや自己顕示的な態度に,私自身が巻き込まれ,思うようなシェアリングができません。みなさん,否定的な感想には,どのように対応していますか?子どもの問題というより,自分自身の問題です。〜佐藤〜
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教育相談部教師対象の1日研修会で,イスに座った1人を4人で持ち上げる「人間みこし」を体験。一人一人がネガティブな言葉かけをしてやった場合と,ポジティブな言葉かけの場合での上がり方の違いを体験するものでした。女性4人で体格のよい男性1人を持ち上げるとき,ポジティブな言葉を言っても持ち上がりません。「女性4人では無理なんだ」とだれもが感じていたとき,別の男性が「大丈夫。絶対上がるよ!」と声をかけてイスの座りました。するといとも簡単に上がったのです。次にもっと体格の良い男性が「僕も!」とイスに座ると,また上がりました。今度は最初に持ち上がらなかった男性です。彼は「今度は上がるよ!」と声をかけると,今度は上がりました。シェアリングでその男性は「口でいくらポジティブなことを言っても,僕は心のどこかで『無理じゃないの?』と思っていたんだねぇ。心から信じると上がるんだねと。研修会でのこの体験は,本当の意味での「信頼体験」を肌で感じた瞬間でした。〜シンシア〜
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あなたのエンカウンター体験もお聞かせください。 |
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