Menu
ホーム
 
エンカウンターとは?
 なぜ注目されるか
 体験談
 紹介記事
エクササイズ
 
ネットワーク
 北海道・東北
 関東
 甲信越・北陸
 東海
 近畿
 中国
 四国
 九州・沖縄
 学習機関・研究会
 参加募集
研修会
 研修会情報
 継続的な学習会
 参加者の声
 SGE進路参加者の声
文献案内
 一般書籍等
 紀要・冊子
情報提供
 体験談募集
 アンケート
育てるカウンセリング
 
 
國分カウンセリング研究会.
 
リンク集
 
図書文化ホームページ.
育てるカウンセリング Home
実践紹介
   
8.第7回面接「卒業式に向けて」  
  
ブリーフセラピーを生かした不登校生徒への対応〜
育てるカウンセリングのトップ へ戻る
  一つ前に戻る
一つ先に進む
「自分でコントロールして食べてね」
「はい」

 いつものように給食を一緒に食べ,この日は一気に勝負に出ました。

 A君が給食を食べ終わったころ,昼休みを利用して,アルバム委員の生徒にA君の原稿を取りに来てもらいました。担任の先生に頼んで,来る人数は3人に増やしてもらいました。

 生徒たちが戻ったあと,A君に尋ねました。

「どう? 緊張した?」

「緊張しませんでした」

「2人と3人の違いは?」

「特にないです」

「1人増えただけだもんね。今度,ランチルームで給食食べてみない?」
「お別れ給食というのもあるよ。考えておいてね」


***************


 それから雑談を続けました。

「A君は,自転車によく乗るみたいだけど,やっぱり最初は補助車輪をつけていた?」

「つけてました」

「先生もつけてたよ」
「最初は,つけてないとすぐ倒れてしまうんだけど,慣れてくると邪魔になるよね」

「はい,走りにくくなります」

「先生なんか,まず片一方をはずして,慣れてきたら全部はずして,というふうにやったよ」

「僕もそうです」

「乗れるようになると,邪魔だよね」

「はい」

 これは,自立の促進のメッセージです。
 そして,第1回の面接で使った「前提」の技法を用いました。

「そうそう,A君の問題が解決するのに,2週間かかるか,3週間かかるか,どちらが君にとって現実的かな?」

 A君は少し考えて答えました。

「2週間です」

「そうか,2週間かぁ。楽しみだね」

「じぁ,お別れ給食のこと考えておいてね。」
「はい」

 この日は,私にあまり時間がなかったので,保健の先生にバトンタッチして面接を終了しました。


***************


 このころになると,以前のおどおどした感じや,声の小ささなどは,A君からすっかり消えていました。

 A君が帰ったあと,私がカレンダーを見て確認すると,2週間後はちょうど卒業式の練習が始まるころでした。

 
   
   
    一つ前に戻る    一つ先に進む  
   
    育てるカウンセリングのトップ へ戻る  
   
  Top  
 
(C) Copyright 2001, Toshobunka